京成3500形
1972年~1982年にかけて製造された京成通勤車両初の冷房車です。車体は従来の鋼製車体から、外板のみをステンレス鋼としたセミステンレス車体となり、「赤電」と親しまれた従来の車両とイメージを一新しています。セミステンレス車体の採用は、冷房搭載による車重抑制のためといわれています。
京成電鉄では当時、初代AE形によって界磁チョッパ制御の導入が行われていましたが、本形式は都営浅草線への乗り入れ規定の制約により抵抗制御を採用しています。
全電動車編成の4両編成のみ製造され、先頭車は片方の台車のみにモーターを搭載する0.5M構成としています。未更新車は運転台側の台車がT台車としており、京急線への乗り入れは不可とされています。(ただし、1970年代に乗り入れ実績あり)
2両単位での編成を組む事が可能で、4・6・8両の編成での運用を行います。

1996年~2001年にかけて、半数ほどの車両に対して大規模な車体更新が行われ、京急線乗り入れを可能とするための先頭車の電動台車の振り替え、外板の張替え、前面デザインの大幅な変更、3700形に準じた内装更新が行われています。全車両に対して行う予定だったそうですが、更新コストが高額で新車に置き換えたほうが費用対効果が高いとの判断から途中で打ち切られています。
更新車は京急線への乗り入れが可能となったため、羽田空港-成田間の直通運用に充当される機会もありました。

未更新車については2003年~2016年にかけて、3000形への置換によって廃車となりました。
更新車は4~8両編成を組成できる特性を活かし、普通から直通運用まで幅広く使用されていましたが、2017年頃から都営浅草線・京急線への乗り入れ運用には充当されなくなり、4両・6両の編成を組成して原則として普通のみで運用されています。8両編成に不足が生じたときは8両編成を組成し、京成線内の優等列車に充当されることがあります。
更新車も新造後45年以上経過し、更新後20年以上経過している状況で、一部編成の廃車が発生しています。

製造期間 1973年~1982年
製造数 96両
制御装置・
モーター出力
抵抗制御・
100kw
営業最高速度 100km/h
運用区間 京成線・芝山鉄道・都営浅草線(全線)
京急線泉岳寺~羽田空港間(更新車)
3500形その他の編成

未更新車は、先頭部に種別表示板を使用する最後の形式でした。

更新車は先頭台車を電動台車としたため京急線への乗り入れにも対応し、2017年まで京急線の羽田空港まで乗り入れていました。
先頭部の種別幕は成田スカイアクセス線開業時に種別色の背景に白文字で表記されるように変更されました。

京急線内では快特として走行していましたが、京成車の車両性能に合わせたダイヤに設定されていました。
とはいえ3700形などと比べると高速域の走行性能がかなり苦しかったのでは?