鉄道写真館

JR北海道 711系 
国鉄初の交流専用車両で、函館本線(小樽〜滝川)の電化開業と同時に登場しました。北海道での過酷な運用に備え、耐寒耐雪設備が強化されています。
車体は急行形のような片開き2ドアで、車内はクロスシートを主とした配置で、当初は急行「さちかぜ」の運用もあったことから、近郊形なのに洗面所が設置されています。
1M方式を採用し、3両編成中の電動車は1両のみです。起動加速度が1.1 km/h/sと非常に低く、発電ブレーキを装備しないので走行音が非常に静かです。
1980年代後半に一部車両が3ドア化改造され、2001年には2ドア車の一部編成で冷房装置の設置が行われています。
初期製造車については721系・731系に置き換えられすべて廃車となり、現在残存する後期製造車は733系の登場で廃車が進行し、2015年3月13日をもって引退となります。
 
製造期間 1967年〜1969年・1980年
製造数 132両
制御装置・
モーター出力
サイリスタ位相制御・
120kw
運用実績のある路線 函館本線(旭川〜小樽)
千歳線・室蘭本線(札幌〜室蘭)
学園都市線(札幌〜北海道医療大学)
   2011年に登場時の塗装に復元されたS-110編成。
日中は岩見沢以北等の郊外で使用されることがほとんどですが、朝・夜間には札幌近郊での運用も存在します。

ちなみに、S-110編成とS-114編成は後期製造車のドア増設未施工車であるにもかかわらず、なぜか冷房改造されていません。
 冷房改造車のS-107編成。
分散型冷房装置を3個搭載しています。
冷房改造は2ドア車のみで、3ドア改造車は車体強度の問題があり冷房搭載は見送られました。
先頭車両のみ3ドアに改造された車両。
札幌近郊の乗客増に対応すべく、車体中央に客用扉を増設しています。増設部にもデッキが設置されており、1両で2部屋あるような感じです。

1987年頃から、後期製造車の5編成ほどが改造されました。中間電動車は車体強度の関係で2ドアのままです。
   運転台は初期製造も後期製造もほとんど同じでした。
同時期に製造されていた近郊型車両と異なる運転台です。